「養育費を決めよう」もちろんその通りです。では、どうやって決めたら良いのか?まずは、そこが疑問ではないでしょうか?
養育費の取り決めから書面の残し方とその後迄を3ステップで解説します。全体的なイメージ作りにお役立ていただけたら幸いです。
養育費取り決め 3ステップ
ステップ1 全体の流れ
ステップ2 どうやって取り決めるの?
ステップ3 取り決め後はどうなる?
☆ポイント
養育費は、子供が未成熟とされる期間の「子供の生活費」です。離婚や認知の後も安定的に継続できる形を念頭に話し合いましょう。
実際に子育てをしていないと日々いくらかかっているのか気が付きにくいものです。食費だけではなく、学費、習い事等の数か月分に加えて夏休み等のお金がかかる時期も可視化し、具体的に金額を示すのも良いでしょう。離婚協議中の場合は、離婚条件の1つとする方が多いです。
厚労省 養育費について
<ステップ1 養育費全体の流れ>
養育費の取り決めから終期まで全体の流れを知りましょう!
1:養育費を取り決める
2:養育費の開始
3:養育費を変更したくなったら?
4:養育費の支払いが滞ったら
5:子供が成熟し養育費が終わる
<ステップ2 養育費どうやって決める?>
◇養育費の取り決め事項
・金額
・いつまで継続するのか
・支払いの方法
親には、社会的に自立していない子供に対し、自分の生活と同レベルの生活を保持する義務(生活保持義務)があります。離婚等の事情で子供と離れて生活していても、子どもに対する扶養義務に違いはありません。
◇養育費の取り決め方
いくらが妥当な金額なのか?法律で決まっているわけではありませんので、これまでの生活費をベースにする又は父母双方の年収から家庭裁判所が採用している【算定表】を参照するのも良いでしょう。
大学進学、病気、怪我等の特別な事情が発生した場合はどのようにするのか?いつまで継続する?20歳?学業終業時??この辺りも決めておきましょう。支払方法は、時期および振込口座を明確にしておくと良いでしょう。
家庭裁判所の算定表はこちら
◇養育費が決まったら書面に残そう!
「約束を守らない」といった悲劇を生まないために、口約束だけで終わらせることは避けた方が良いでしょう。書面に残すことは将来のトラブルを防ぐ重要な手続きとなります。
養育費の書面 3タイプ
a:父母の取り決めを父母だけで書面にする
b:父母の取り決めを公正証書にする
c:家庭裁判所で取り決め、書面にする
父母だけで書面にすると取り決めの内容がはっきりと残りますが、支払いが滞った場合に強制執行をすることが出来ません。これに対し、公正証書の作成には費用がかかりますが、裁判所より簡潔で融通がききやすく、強制執行の手続きが可能となります。
公正証書についてはこちらもご覧ください
<ステップ3 養育費取り決め後はどうなる?>
◇養育費を変更したくなったら
受け取る側支払う側のどちらも、なぜ変更したいのか理由と具体的な金額を示しましょう。変更希望時期の父母双方の収入から、家庭裁判所の算定表を参照するのも1つの方法です。
支払う側は、連絡せずに減額することは避け支払いが遅れるような場合も必ず一報入れましょう。
◇養育費の支払いが滞ったら
電話やメール等で催促する、内容証明郵便を使って催促する、公正証書がある場合は強制執行手続きがあります。
内容証明郵便についてはこちらもご参照ください
家庭裁判所の強制執行手続き
豆知識
養育費確保のための補助金制度があります。
養育費確保支援補助金とは、自治体が、養育費の取り決めに関する公正証書の作成や家庭裁判所への調停申し立て等にかかる費用の補助をします。養育費確保支援補助金により支給されたお金は、原則として返済不要です。
養育費の分担について、公正証書や家庭裁判所で取り決めた場合、養育費不払いの際に「強制執行(差押え)」を申し立てることが可能となり、継続した養育費の受け取り確保に繋がります。
詳しくはこちら
まとめ
養育費の全体像をイメージいただけましたか?
受け取りが開始したら、感謝を伝えることが安定的に継続するコツではないでしょうか。支払い側にとって養育費の負担は大きいものです。「ありがとう」の一言をビジネスライクで良いので礼節にお伝えになってはいかがでしょうか。支払う側は、相手方ではなく子供に払っているということを忘れずに子供が成熟する終期まで支払っていただけたらと思います。
養育費に伴う公正証書・協議書作成は、専門家のアドバイスを受けながら行うことが重要です。行政書士は、専門的な知識と経験を活かし公正証書・協議書の作成サポートをいたします。父母お二人の取り決めを元に、案文の作成、公証役場とのやり取り、必要書類の収集等の手続きをお任せください。事前カウンセリングも実施しています。
最後までご覧いただきありがとうございました。