どこにいても最優先に決めておきたい事項は生活費ですね。「希望した」「やむを得ず」それぞれの事情により別居に至っていても、日常生活は続いていきます。
これから取り決める方、既に受け取っている方のどちらも「生活費を死守」できるようにご案内します!
・ 取り決めると良いこと
・ 決まったら書面にしよう
◎生活費(婚姻費用)とは
夫婦である限り、夫婦には扶助義務があります。
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余裕のある範囲内ではなく、余裕がなければ無いなりに相互に扶助しなければならないとされています。別居期間中も変わりません。
生活費を法的には「婚姻費用」と呼び、食費等に加えて家庭生活の必要費、子供にまつわる費用等の金銭を指します。収入が低い方が高い方へ請求することができるため、日本では妻から夫に対して婚姻費用の分担を求めるケースが多いです。
生活費(婚姻費用)と養育費の違いは対象者です。生活費(婚姻費用)の対象者が夫または妻と未成熟の子供であるのに対し、養育費は未成熟子のみとされています。
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◎取り決めると良いこと
生活費は、夫婦の話し合いにより自由に決めることができます。
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<取り決めの事項(例)>
・金額(月額,年額)
・支払方法(毎月,賞与月)
・支払時期(月末,7月,12月)
・いつからいつまで続けるのか(今月から、同居の再開時,離婚時)
給料日、カード払い等の引き落とし日を考慮して支払日を決定するのも良いかもしれません。夏期休暇等の子供に関する費用の増額が見込まれる時期はどのようにするのか?についても話し合うことが出来れば、なお安心でしょう。
生活費の計算に困った場合は、夫婦双方の収入より金額を設定している【家庭裁判所の算定表】(専業主婦・収入0円の場合も記載有り)を参考にする方法もあります。
家庭裁判所の婚姻費用算定表
夫婦のみでの話し合いが難しい場合は、家庭裁判所を利用することも可能です。
手数料1,200円、請求したい方お一人で申立できます。
家庭裁判所の婚姻費用の分担請求の案内
◎生活費が決まったら書面にしよう
夫婦だけの協議で取り決める方法には、3つあります。
・夫婦お二人だけで書面作成
・公証役場で公正証書作成
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口頭での合意はお勧めできません
「生活費をくれない」といった話は珍しくありません。
安泰のために金額、支払時期、支払方法等の取り決めは口約束で終わらせずに書面に残しましょう。
夫婦お二人だけで書面を作成
夫婦だけで書面を作成する場合は、金額、支払時期、支払方法等の約束内容が明白に残せます。
留意点は、約束の生活費が支払われない場合にすぐに強制執行することはできず、強制執行をするためには裁判所の手続きが発生します。
公証役場で公正証書を作成
公証人が法的に間違いのない書面を作成してくれます。途中で生活費が不払いとなった場合には直ぐに強制執行の手続きが可能です。
支払う側には大きなプレッシャーとなりますので安定継続に繋がります。公正証書にすることが望ましいでしょう。公証役場との調整や当日のやりとりは行政書士に依頼することも可能です。
公正証書作成はこちらもご参照ください
【離婚協議書・公正証書・調停調書】比較表を作りました
どっちにする?離婚協議書と公正証書
まとめ
生活費の約束事を書面に残しているケースは、離婚調停中等の方が多いかもしれません。しかし離婚の話し合いをしていなくても、別居期間が続く限り、生活費の取り決めは安定的に生活費を受領するためには重要です。別居中だからと諦めずに検討なさってみてください。
どのように書面にしたら良いか分からない、忙しくて時間を作ることが難しい方でも、行政書士等の第3者が夫婦お二人の間に入り、書面作成をさせていただくことが可能です。
行政書士は、知識と経験を活かし公正証書の作成サポートもいたします。事前カウンセリングも実施していますので、お気軽にお問い合わせください。
最後までご覧いただきありがとうございました。